【自由研究】お野菜を使って水あめを作ろう!
〇小学校中学年~
お野菜からあめができる…!?
そうなんです。
実はジャガイモと大根を使ってあのねばねばとした
水あめが作れるんです!
水、ジャガイモ、大根だけで作るのでもちろん
大根の香りが少し残るのですが、
ちゃんと食べられるほんのり甘い水あめ
を作ることができます。
まずは簡単に仕組みを説明しますね。
みなさんは でんぷんという言葉
を聞いたことがありますか?
そうそう、ヨウ素液をかけて紫色になるあれです!
ジャガイモの中にはたくさんのでんぷんが
含まれていて、そのでんぷんを
大根の中の『酵素(こうそ)』
とよばれるものが 小さく切って
水あめの元になる麦芽糖(ばくがとう)
を作ります。
この麦芽糖を煮つめることによって
水あめを作ることができるのです。
なんとなく仕組みはわかりましたか?
それでは早速作ってみましょう!
作り方
材料
ジャガイモ 中3個
大根 5~8cm
水 500㏄
道具
ガーゼ(薄めの布)
おろし金
なべ
茶こし
へら、ピーラー等
必要に応じて用意してください
1 ジャガイモをすり下ろす
ジャガイモは洗って皮をむきます。
芽は取っておきましょう。
きれいに皮をむいたジャガイモをおろし金で
細かくすり下ろします。
2 でんぷんを取り出す
すり下ろしたジャガイモをガーゼに包んで
水を入れた容器の中でガーゼをもんだり
しぼったりしてしっかりでんぷんを取り出します。
3 でんぷんを沈殿(ちんでん)させる
10分ほどしばらく置いておくと
茶色い水の下の方に白いものが溜まってきます。
これがでんぷんです。
そうしたら上の茶色い水を捨てて、
新しい水を入れ、かき混ぜます。
これを3~4回 くり返しすことで
きれいなでんぷんを取り出すことができます。
これがいわゆる片栗粉、じゃがいもでんぷんです。
4 でんぷんをあめ状にします
なべに水、3で作ったでんぷんを入れて温めます。
でんぷんが とう明になり、
どろっと ねばり気が出てきたら
火からおろします。
(ちなみにこれがでんぷん糊(のり)です)
そのまま別の容器にうつし替えておきます。
この間に大根を用意しましょう
5 大根をすり下ろす
大根はジャガイモほど細かくすり下ろしたり、
こしたりする必要はありません。
おろし金ですりおろし、
ガーゼにくるんでしぼり、
しぼり汁とカスに分けます。
このしぼり汁を使います。
6 大根のしぼり汁を温める
しぼり汁を湯煎(ゆせん)し、
大根に含まれる酵素はあたたかいほど
はたらき が活発になります。
ただし、高温に弱いので約65度 がベストです。
こうすることで、
でんぷんが麦芽糖になりやすくなります。
7 でんぷん液と大根のしぼり汁を混ぜる
二つの液を混ぜ合わせて約八時間おいておきます。
この間に大根の酵素が
でんぷんを小さく切って麦芽糖にしています。
この時にも、温かい方が
酵素のはたらきが活発になるので冷蔵庫などで
急激に冷やさないようにするのがポイントです。
おすすめは保温ポットや保温の水筒に入れて
あたたかさを保つようにすると
より甘みのある水あめに仕上がります。
~8時間後~
8 液を煮詰める
なべに7で置いておいた液を入れて煮つめ、
水分を飛ばします。
とろみがついてきたらなべがこげ付かないように
混ぜながら温めてください。
温めているとアクが出てくるので
ザルやおたま などで取りのぞきます。
しばらくすると ねばり気が出てきて、
泡が小さくなり始めます。
こげないように弱火にしてさらに煮つめます。
9 少し茶色に色づいたらできあがり☆
コラム
7での酵素が活発にはたらいて
でんぷんを小さくするスピードがあがる、
つまり化学反応がよりはやく進む温度を
『最適温度(さいてきおんど)』といい、
酵素の種類によって温度は異なります。
でんぷんを小さくして麦芽糖に変える…
これに似たことが体の中で、
たくさんの酵素によって毎日起こっています。
最低気温度は酵素によってちがいますが、
ほとんどが30~40度前後、
人の体温に近い温度です。
ですが 7に書いたように熱に弱く、
高い温度では形が変わってしまうために
今回の場合では65度以上のさらに高温になると
はたらきが弱く、
さらにははたらかなくなってしまうのです。
どうでしたか?
本当にお野菜であめが作れるなんて
おどろきですよね。
今回のように科学的にもののしくみを知れば
身近なものの組み合わせで
面白いものを作ることができるんです。
皆さんもぜひ気になった
ものの仕組みを調べてみてくださいね!
解説編 for adults
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