Kino's Science Class

遊びの中に科学を

【解説編】水素カーってなんだろう? for adults

 

前回の記事、
【水素カーってなんだろう?】の解説編です。

kinoscience.hatenablog.com

 

今回は小学校高学年向けということもあり、
元の記事で簡単に、ではありますが
仕組みを既に説明してあるので、
この記事では
FCVの燃料電池の仕組み
燃料をガソリンから水素にすることが
なぜ地球にやさしいのか 
にフォーカスして解説していきます。

 

 

燃料電池ってなんだっけ

少しだけ燃料電池について
おさらいしておきましょう。

 

燃料電池とは前回の記事でもお話しした通り、
水素空気中の酸素によって
電気を起こしています。


これによって従来の化石燃料を用いた
発電のように有害物質を排出することなく
電気を生み出すことのできる
画期的な発電システムです。


燃料電池」という名前から
乾電池や蓄電池といった
電気を蓄えている
という状態をイメージするかもしれませんが、
燃料電池とは水素と酸素から生まれた
化学エネルギーを電気エネルギーに変換する、
あくまで発電設備の名称です。

イメージ的には太陽光発電
太陽電池ソーラーパネルに近いかも。


太陽電池太陽電池自体には
電気を蓄える役割がなく、太陽電池で発電した
電気を別のバッテリーに貯めて、
必要な時に使用していますよね。
それに似たイメージです。

 

燃料電池の仕組み

さて、燃料電池の仕組みに入っていくわけですが、
前回の記事、燃料電池の部分は
少し見づらかったと思います。
拡大した図を見てみましょう。

前回は燃料電池吹き出しになっていて
その中にこの絵が描かれていました。


ぜひ見比べながら確認してみてください。

f:id:kinoscience:20210922163409p:plain

燃料電池の中で起こっていること、
それはズバリ「水の電気分解の逆」です。

中学校で習った水の電気分解
なんとなーく覚えているでしょうか。
H字管に電極がセットしてあって、
水酸化ナトリウムなんかの電気を流しやすい物質
(電解質)を溶かした水に電気を流すと
水が電気分解されて
陽極側には酸素、陰極側には水素が集まって...

こんな感じ。

 

f:id:kinoscience:20211019232138j:plain

 

この逆ですから燃料電池では、
電解質を挟んだ電極に水素を、
もう一方の電極に酸素を送ることによって
化学反応を起こし、
水と電気を発生させます。

もう一度図を見てみましょう。

f:id:kinoscience:20210922163409p:plain

 

1. 外部から供給された水素が
陰極で二個の電子(e-)を放出し、
水素イオンH+になる。

 

2.  水素から放出された電子は
外部回路を通って反対側の陽極に
電流として流れる。(ここで電力が発生)

 

3. 陽極では空気中から取り入れられた酸素が
外部回路から戻ってきた電子(e-)を受け取り、
酸素イオンO²-になる。

 

4. 酸素イオンO²-電解質を通って
移動してきた水素イオンH+
2個と結合して水H₂Oになる。

 

イメージできたでしょうか。

 

なぜ燃料電池自動車は地球にやさしいのか

先程説明した通り、燃料電池自動車の仕組み、
この化学反応では水素を燃焼させず、
酸素との化学反応によって
電気を直接取り出しているため
CO₂などの温室効果ガスを発生させません。
排出されるのは上記の通り水、のみ。

一方従来の自動車では温室効果ガスに加えて

一酸化炭素(CO)、

炭化水素(HC)、

窒素酸化物(NOx)、

粒子状物質(PM)、

揮発性有機化合物(VOC) など大気汚染の原因となる

物質を沢山発生させてしまいます。 

 

日本では多くの規定や法律によって、大気汚染に関しては
かなりの尽力してきました。

日本の自動車排出ガスの歴史についてはこちら。
(今回の記事では省きます)

 

しかしながら温室効果ガス、
地球温暖化の原因となる
二酸化炭素(CO₂)、
メタン(CH₄)、
一酸化二窒素(N₂O)、
フロンガスなどについてはまだまだこれから。

日本の温室効果ガス排出量の約二割を占めている
運輸部門の約9割が自動車によるものです。

 

そんな中開発された今回の燃料電池自動車
前回紹介した水素エンジン車は
地球温暖化対策の期待の星というわけです。

 

 

まとめ

いかがでしたか?
燃料電池自動車地球温暖化について
興味を持っていただけたでしょうか。
地球温暖化についてはもう少し詳しく、
また別の機会でお話ししたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

前回の記事 for kids はこちら

kinoscience.hatenablog.com

 

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 【Attention 】

この記事はあくまでも科学が好きな

一般の高校生が書いているため、

十分に調べてから記事を書くようにはしていますが

誤った情報を記載してしまうことがあります。

誤りを見つけた際には

ぜひコメントをお願いします。

記事をより良いものにし、

多く方々に正しい科学の知識

と面白さを伝えていきたいと思っています。

ご協力よろしくお願い致します。

 

 

 

以下 参考文献

https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=35

https://www.riken.jp/press/2019/20190319_2/index.html#:~:text=%E6%B0%B4%E9%9B%BB%E8%A7%A3%E5%8F%8D%E5%BF%9C%E6%B0%B4%E3%81%AE,H2%EF%BC%89%E3%81%AB%E5%88%86%E3%81%91%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%80%82&text=%E4%BB%8A%E5%9B%9E%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%97%E3%81%9F%E9%85%B8%E5%8C%96%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3,%E6%9D%90%E6%96%99%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E6%9C%89%E6%9C%9B%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

http://www.jari.or.jp/portals/0/jhfc/beginner/about_fc/index.html

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime/47/6/47_829/_article/-char/ja/

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html

https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html